vol.22 Champions on Ice ④
COLUMN
代表コラム
~ アイスショーと私 ~
2022.06.21
コラム
フィギュアスケート
テーマ:
vol.22 Champions on Ice ④
初めて招聘した“チャンピオンズ・オン・アイス”は大成功裡に終了しました。
翌年の2007年6月には新潟と大分で開催され、その全体を通してストーリー性のある『ムーラン・ルージュ』の世界を表現しました。
この6月のツアーでもう一人、私にとってその後のアイスショーに無くてはならない存在となるスケーターと出会います。時計回りの逆のジャンプや柔軟性あるスピンなど繊細で流れる様な柔らかな演技で本場米国の“チャンピオンズ・オン・アイス”でもレギュラーメンバーとして出演しているジョニー・ウィアさんです。
彼とも以降10年以上のお付き合いとなっていくとは予想も出来ませんでしたが、毎回ファンをあっと驚かせるコスチュームや曲の独創性に加えどのジャンプもしっかりと跳ぶ技術を維持しているので、その後のオファーしたアイスショーには全て出演して頂いています。ステファン・ランビエル(スイス)さんとジョニー・ウィア(アメリカ)さんの2人は私にとってまさに盟友ともいえる関係だと思っています。
6月の公演は無事成功裡に終了しましたが、この2007年は昨年の成功例もある同じ9月に仙台と静岡で再演となりました。今度のテーマは『Love Story』として、全体を通して『ウエスト・サイド・ストーリー』の世界を表現し、まったく違う内容に変えましたが、スケーター自身はほぼメンバーが同じせいもあるのか、前年の様にチケットの売れ行きはのびず赤字となってしまいました。
同じ場所で2年続けて開催するのは難しいと感じた年となりました。
2008年が明け、今年の公演はどういう枠組みでやったら良いのかと考えていた矢先、本場米国の“チャンピオンズ・オン・アイス”が経営難で消滅するという情報が流れました。噂は聞いていましたが、別の会社が経営権を取得してしまうと、それまでの想いなどないので経営難となるとあっさり無くなってしまうのだと。
そう思った私は、米国での“チャンピオンズ・オン・アイス”が消滅しても日本の “チャンピオンズ・オン・アイス”は続けるべきと思い、但し大きな赤字とならない様リスクを出来るだけ少なくして、毎年“ドリーム・オン・アイス”を開催している新横浜の既設のスケートリンクで2008年の9月に開催を決めました。
今度のテーマは『カルメン』。ヴァイオリニストの川井郁子さん、チェリストの古川展生さんを起用し、スケートリンクの端にはカルメンをイメージしたステージを初めて製作し、“メダリスト・オン・アイス”では既に行っている経験を生かしアーティストとのコラボレーションなどを行い、ショーの内容的には今までで一番の出来と思いました。そして、初めて冠スポンサーもついたにもかかわらず興業的にはまた赤字となってしまい、残念ながら“チャンピオンズ・オン・アイス”は日本でも幕を閉じる事になりました。