vol.21 Champions on Ice ③

COLUMN

2022.06.21

コラム

フィギュアスケート

テーマ:

vol.21 Champions on Ice ③

日本に帰国して本格的な準備が始まりました。

2006年9月9・10日静岡公演として会場はエコパアリーナ、9月15・16日仙台公演として会場はグランディ21、どちらの会場もアイスリンクを特設しての開催となります。いよいよ米国で世界最高峰と言われているアイスショーが日本に初上陸となると思うと本当にワクワクしました。

やはり、トリノオリンピックで荒川静香さんが日本唯一のメダルで、金メダルを獲得した事がまだまだ記憶に新しく、特に仙台は荒川さんの故郷でもあり、仙台公演は凱旋の様にもなり、チケットは直ぐに完売となりました。もちろん静岡公演も始まる前には完売です。あとは観客の皆様に最高のエンターテインメントをどうお見せするかです。

出演スケーターも金メダリストの荒川さんは勿論ですが、銀メダリストのサーシャ・コーエンさん、そして銅メダリストのイリーナ・スルツカヤさんの3名が揃った事でオリンピックの再演の様になり、注目度もより高くなりました。

いよいよ全員来日し、まず静岡公演でリハーサルが始まりました。チャンピオンズ・オン・アイスの来日スタッフで中心人物の一人である、セルジオ・カノバス氏は元フィリップ・キャンデロロ氏の代理人でした。私が2001年にフィリップ氏のツアーを初めて日本で開催した時からの関係もあり信頼関係も築いていたので、リハーサル等で問題が発生してもその都度話し合い、また日本側のスタッフもアイスショーの経験者を起用していたので臨機応変に対応していただき、順調に本番を迎えました。本番になるとリハーサルでは流して滑っていたスケーターも本気モードの演技となります。荒川さんに大トリを務めていただき最初の公演が大変な盛り上がりの中終了しました。

このスタースケーター揃いの中で、私に強烈なインパクトを与えてくれた男子スケーターがいました。それは数か月前に開催したシアター・オン・アイスでのプルシェンコさんの様な力強いジャンプや豪快なスピンとは違う、男子スケーターなのに美しいと言う表現をしたくなるバレエダンサーの様なしなやかな演技、そしてしっかりとジャンプも跳んで、最後は体勢を変えながらの連続スピン。素晴らしい演技でした。

それはトリノオリンピック銀メダリスト、ステファン・ランビエルさんで、彼を初めて招聘し、この出会いをきっかけに彼は私にとってその後のアイスショーに無くてはならない存在となり、以来10年以上のお付き合いとなるとは予想も出来ませんでした。