vol.11 Dreams on Ice

COLUMN

2022.06.20

コラム

フィギュアスケート

テーマ:

vol.11 Dreams on Ice

ドリームオンアイスは今年10周年を迎えます。本当に皆様の応援のおかげだと感謝しております。

エキシビションは本来、国際競技会などの上位3位くらいまでの優秀選手だけが出場できる特別なお披露目の場です。ショーではなく日本の選手のためにもなる単独エキシビションの開催。そういうことが出来るのか、10年前、スケート連盟に相談しに行ったところ、人前で演技する機会が大会だけしかないので、是非やってほしいとのこと。

当時、2003年のグランプリファイナルで村主章枝選手が優勝、荒川静香選手が3位となりました。NHKで放送してはいましたが、当時のBSなので、どれだけのファンの方がご覧になっていたかはわかりません。ただ、今ほど注目されたスポーツではないせいもあり、報道も少なかったこともことは間違いなく、一般的ではなかったと思います。

スケート連盟からはジュニアの選手も加えてほしいという要望もあり、意義はわかりますが、チケットセールスのことも考えると厳しくもあり、興業として成功させられるか、不安いっぱいで企画をたてました。

・シニア・ジュニアともに日本代表として試合に臨んできたシーズンの締めくくりとして開催する日本代表エキシビションとする。
・スケート連盟のシーズン優秀選手表彰式もある6月に開催する。
・会場は、時期的に通年リンクである新横浜スケートセンターとする。

エキシビションのタイトルですが、私はアイスショーで、「Fantasy on Ice」とタイトルをつけ、登録商標を取得しましたが、もうひとつ温めていたタイトルがありました。それが“ドリームオンアイス”です。世界ジュニア選手権、四大陸選手権、世界選手権の出場、そして表彰台、メダル獲得を目指し、最終的にはオリンピックのメダル獲得という大きな目標に向かって行く。
・夢はそれぞれなので英語表記にはSを付ける。
・皆の目標になるスケーターをゲストとして海外から招待する。

ソルトレークオリンピックの金メダリスト、男子シングルのアレクセイ・ヤグディン、そしてアイスダンスのマリナ・アニシナ&グエンダル・ペーゼラ組。このような骨子で企画が進められていきました。このメンバーを海外から招待することはたいへん経費がかかり、リスクも伴いますが、このエキシビションの意義からすると、必要な決断でした。

その後、四大陸選手権で太田由希奈選手が優勝、世界ジュニア選手権で安藤美姫選手が優勝、世界選手権で荒川静香選手が優勝と、このシーズンの世界の主要大会全てで日本女子選手が優勝するという快挙を成し遂げました。それならばと思い、海外ゲストももう一人、ヨーロッパ選手権優勝のブライアン・ジュベール選手を招待することにしました。

2004年、記念すべき第1回目のドリームオンアイスはオリンピックを目指し、オリンピック金メダリストと世界の国際大会全ての優勝者が揃ったたいへん豪華なエキシビションとなり、興業面でもベストなタイミングでの開催だったと思っています。

主催は企画元である産経新聞社、CIC、そして電通の協力をいただいて、6月26日と27日に、日本代表エキシビション“Dreams on Ice 2004 Road to TORINO”と題し、開催されました。